この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
白鳥スワン
でも彼女、最近はなかなか眠れなくて、ルームメイトの生徒も、『毎日うなされてかわいそう』って心配しててね、市販の睡眠改善薬買ってきてくれてたみたい。小さい子の兄弟がいる子がおぶってあげたりしてるって。
ドギー・クルーガー
そこまで重度なのか…子供の睡眠不足は体に毒だからな。以前全体集会で突然倒れ、『重度の過労』ってことで警察病院で休ませたこともあった。『地球のアカデミーは酷だから辞めたほうがいい』と学校医も呆れていた。
ディアビリア
『あの子には、心から安らげる環境が必要だ。同じトート星人だから、彼女の体と心のケアもしてあげたいんだよね。あんな辛いところじゃ、訓練以前に体壊しちゃうよ…。だから、彼女のことは私に任せてほしい。』
ドギー・クルーガー
分かった。彼女のことはディアに任せよう。他の惑星の者と違って、トート星人は体の発育が早いからな。同じ惑星の者どうしなら、美波も安心できるはずだ。スワンもこの件について異議はないようで、快く承諾した。
近藤美波
今日も訓練終わったーさて、帰ろうかな。『あれ?先生どうしてここに?』アタシは私服に着替えようとロッカーに戻ろうとすると、先生が待ってくれていた。もしかして、送ってくれるとか?2回も申し訳ないよ…
ディアビリア
今日から一緒に住むからね。独りで食事したりとかって寂しいだろうから、クルーガーとスワンにお願いして、私の家に一緒に住むことになったんだよ。私は彼女に未成年後見人と住所変更届けの紙を見せた。
ディアビリア
『みせいねん…こうけんにん?』美波は不思議そうな顔をした。これを見てくれているみんなには聞き馴染みがないかもしれない。美波は両親が既に亡くなっているから、これからは私が親になるということを説明した。
近藤美波
住所変更の手続き用紙の控えを見せてもらうと、私の名前と一緒に、世帯主の名前としてディアビリア先生の名前が書いてあったの。先生が私の保護者として地球署署長でもあるクルーガーさんが承認してくれたみたい。
ディアビリア
『これから夕食の買い物にでも行きたいんだけど、どうする?』そう彼女に訊くと、一緒に行きたいと嬉しそうに答えてくれた。この笑顔、ホントにかわいい。『ありがとう。さ、荷物まとめておいで。』
近藤美波
あの日、先生のヘビたちにカラダ触られてイヤじゃなかったかって?嫌悪よりも、不思議と幸福感が勝っていたの。今まで私が『かわいい』って意味で頭撫でられたことなかったからかなぁ。
クリックして次のテキストを表示