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ボディーガードの依頼を受けて海外のとある屋敷に招かれた。

そこには美しい娘がいて、彼女はひとり…唄を歌っていた。

透き通った──とても綺麗な声。

だからそれを伝えてやると、どういうわけか困惑した表情を投げかけてくる。

そこへ席を外していた依頼主が戻ってきて、僕に彼女を紹介した。


「──…この娘は不運にも、声を失ってね」

「──…」


馬鹿なことを。

彼女は今も叫んでいるじゃないか。


《 わたしを助けて…── 》


潤んだ目で僕を見詰めながら
助けを求めているじゃあないか。




※「歪んだ三重奏 ~ﾄﾞS兄弟に翻弄されﾙ~」
　より、次男の東城スミヤが主人公の物語。

　時系列的には、それより前のお話です。