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　ピンク映画と呼ばれるジャンルがアダルトビデオに勝てないのは、視聴者のニーズに応えきれていないのが最も一般的な理由であろう。やはり視聴者が求めるのは、一言でいえば裸である。
　その点において、アダルトビデオに勝るものはない。もしピンク映画でアダルトビデオに挑むのであれば、その１点で勝負するしかない。映画として大事である綿密なストーリーや写実的な描写などは、必要なくなってしまうのである。
　では、ピンク映画がアダルトビデオに勝る点とは何か。視聴者の求める裸、その描写に他ならない。逆にアダルトビデオの弱点とは何か。登場人物のキャラクターやシチュエーションなどの表現が薄っぺらでリアリティがないことと筆者は考える。その点において、ピンク映画はアダルトビデオとは比較にならないほどのクオリティを追求できるのである。リアリティ溢れる人間味のあるキャラクターが魅せるエロティックなシチュエーション。これを追求したピンク映画であれば、アダルトビデオと互角以上に戦えるはずである。
　本作品は、ピンク映画として実写化を意識したエロティックシチュエーションストーリーを短編オムニバスとしてまとめてみたものである。（ただし、コンプライアンス的に実現不可能なものも多少含まれる。）