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　女を縛る……。
　それは、女の性をあぶりだす。

　縛った女を責める……。
　それは、縛った女の被虐性に火を点け、究極のオーガズムを与える。

　責めによって女は苦しみ魂を震えさせる。

　ある種の女は、縛られることで官能が目覚め、苦しみによってエクスタシーを得、責めによってオーガズムに達する。

　女が自慰や普通のセックスによって得るオーガズムと、苦しみによって得るオーガズムは根本的な違いがある。

　それは、自らコントロールしてしまう快楽にたいして、身体を縛る縄は魂と精神をも縛り、意思に抑制されず、強要され狂気の世界まで高められたオーガズムを得られることだ。

　懇願や悲鳴を無視して到達させる、その先にあるめくるめく性の狂気。
　女性が苦しみから得る愉悦と快楽に充ちた狂気こそが、俺がサディストとして存在する世界なのだ。

　その性は、何故そこにあるのか。

　引きだされたものか、埋もれていたものが目覚めたのか。或いは遺伝子で伝承されてきたのか。
　狂気の芽は日常に潜んでいる。