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野宮オリザ。
名前はオリザとカタカナ。でも、ハーフではない。
オリザはラテン語で「稲」のこと。農学の研究者で、稲の品種改良を晩年までライフワークにしていた祖父が付けた名前だった。オリザ。響きが綺麗で、オリザは気に入っていた。旧姓は、芳野。結婚するまで、芳野オリザだった。
結婚して「野宮」姓になった。

結婚して5年。子宝に恵まれることはなく、結婚後、夫との関係は疎遠に。夫は、プレイボーイ気取りで、女性を口説いてセックスするのは好き。でも、継続するタイプではなく、口説く過程が、手に入れる過程が楽しいという人。オリザと結婚しても、その性格は変わることはなく、妻のオリザを大事にしていたのは、結婚して、数か月。たまにセックスするくらいでは妊娠の予兆もなく、気が付けば夫は愛人との間に子供を作り、そちらに入り浸り。子供が欲しいと願ってもできない状況。

そこから、3年以上、放置されたオリザ。夫とのセックスは月に一度程度。しかも、淡泊な内容。忙しいと、1時間で終わるセックス。余韻も何もあったものではなく、溜まる一方の性的欲求。若いオリザが欲求不満になるのに時間はかからなかった。

でも、不貞行為には抵抗があったし、夫は、毎月、100万円の生活費と、その他、結婚記念日、誕生日など理由をつけては、プレゼントをしてくれる。だから夫に不義理をされても、仕返しをするつもりはないオリザ。合法的に欲求不満を満たす方法を考えた。