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　雨が降るなか偶然、見つけた珈琲店。
　あまり見かけないお店だったので「新しく出来たのかな？」と思いながら、試しに中へ入ってみることに。

　すると、見るからに落ち込んでいる店員らしき男性が、「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ……」と声をかけてきた。

　最初は怖かった私だけど「中に入って何も頼まないのも悪いな」と思い、とりあえずメニュー表に「一番人気」と書かれていた甘い珈琲を注文した。

　しばらくして出てきた珈琲は、既にシロップが多めに入っていた。
　もっと苦めの奴だと思い込んでいたので少し安心し、その場にあったカップを持ち上げる。
　そして、ゆっくりと口の中に入れた。

　これが私と、甘い珈琲が出会った、初めての経験だった。