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☆　彼女はその時、まだ知らなかった。
　後に自分自身をも王朝の歴史に〝稀代の妖婦〟としてその名を残すことを－
　〝妖婦〟と呼ばれた少女の真実と涙を描く。☆


－何故、気づかなかったの？
　どうして、あなたが私のいちばん大切な男だと判らなかったの？
　失ったものは二度と取り戻せないのに－

　朝鮮王朝時代後期にさしかかる、ある王の御世。
　宮殿の門を一人の少女が野心を抱いてくぐった。
　我こそは後宮でのし上がろうと可愛らしいその面には
　不似合いな果てのない野望を胸に秘めて。
　〝悪女〟になろうとしても悪女になりきれなかった、とある少女の話。

朝鮮王朝時代、果てのない野望を抱いて若き王の寵愛を受けた少女。
　だが、彼女が最後に選んだ【本当に大切なもの】とは何だったのか？

原題は『相思花～王の涙～』