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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第7章 揺れる夜
「あっアンソニーっ!」
「なあに?」
ゆでダコのようになった桃子が由清に怒鳴ると、由清はやんわりと返事をするが、何事かと気にしたバーテンが奥から顔を出した。
「なんでもありません、すいません騒いで」
由清がそう言うと、バーテンは納得した顔をしてまた引っ込む。
ピザの焼ける香ばしい匂いがそこはかとなく漂い、空腹の桃子はお腹を盛大に鳴らしてしまった。
「――!」
桃子はお腹を押さえて声にならない叫びをあげてカウンターに突っ伏してしまう。由清はそんな彼女の頭を優しく撫でた。
「もう少しで出来るから、待ってなよ、桃子」
「……だ……だから――っ!……なんでさっきからそうやって――!」
桃子がガバッと顔を上げると、同じくカウンターに頬をくっ付けて同じ体勢でいる由清の瞳が至近距離にある。
桃子は瞬間呼吸を止めた。