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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第7章 揺れる夜
「……っ」
桃子は絶句し、空のグラスを見詰めるしかない。
先程取り乱し、三広の事を口走ってしまった――と思い出し、由清に八つ当たりしてしまった自分を恥じる。
「ごめ……んね……アンソニーに、当たり散らしたりして……」
「……やっぱり、何かあったんだね」
優しく話を聞く振りをして、隙あらばつけこもうとしている自分の浅ましさを感じ、由清は胸の中が苦くなるが、それは仕方がない、と思った。
プリキーの野外ライヴのあの日、彼女にきっぱりと振られたが、だからと言って彼女を好きな気持ちはまだ消えていないのだから。