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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第2章 不安の芽
「そういえば、二人ともゼミどこになった?」
詩織の質問に、あたしたちは顔をあげた。
そこからはずっと昼休みが終わるまで、ゼミの話とか、受講する授業の話とか、サークルの話とか、始まったばかりの大学生活についての話で盛り上がっていた。
柚留も特にいつもと変わらず、癒し系笑顔であたしの隣に座っていた。
だけどーーさっきの連絡先を交換した女の人たちの話題を柚留が持ち出す様子はなかった。
別に連絡先くらい、交換して普通なのかな? 特にやましいこともないから、あたしに言わないだけ? 大学生だしそんなもの? でも全然知らない人だよ? いきなり交換する? ……柚留、綺麗な人に目移りしてない?
ぐるぐると疑問が頭の中を巡るけど、もちろんそんなの聞けない。だって、嫉妬深い人みたいだもん。
結局疑問は晴れないまま、もやもやとした不安の芽は、確かにあたしの中に芽生えてしまっていた。