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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第9章 エピローグ
柚留のいう通りだ。
春が終わっても、また新しい季節がくる。桜が散っても、また別のイベントがやってくる。
人の心の移り変わりなんてわからないんだから、そんなの気にせず楽しい思い出を作っていけばいいんだ。
「うん、いろんなことしよう!」
あたしはとびきりの笑顔でそう答えた。
柚留がそっと目を閉じる。察して、あたしも目を閉じた。唇をわずかに開けて、柚留の柔らかいそれが触れるのを待つ。
ドキドキ高鳴る心臓の鼓動が徐々に大きくなる。
だけど唇が触れる前に、突然柚留のスマホが鳴った。メールらしい。
その音に二人で飛び上がるほど驚いて、同時に離れた。
「びっくりしたぁ。あ、谷内くん」
柚留がメールを開くと、そこにはガッツポーズの絵文字つきで彼から一言だけ。
『やったああああ付き合えたよおおお』
文面を見た瞬間、あたしたちは同時に噴き出した。
「テンションやばっ! てか、谷内くんてこんなキャラだっけ?」
「んー、ちょっと違うけど。きっとすごく嬉しいんだよ。おめでたいね、良かったぁ」
あたしたちはおめでとうの返信をして、笑いあった。
楽しいニュースがまた増えた。胸が踊る。
あたしたちの大学生活は、まだまだ始まったばかりだっ!
おわり