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第1章 新生活は波乱の予感!?

　そう思っていた矢先だった。

「まりね、あれ森永くんじゃない？」

　詩織が顔を上げ、あたしも釣られてその視線を追う。
　そこには、小柄で可愛い男の子。うん、柚留だ。と高校の時から柚留とよく一緒にいた男子、谷内（たにうち）くん。
　そしてーー。

「てか誰？　あの女の人っ」

　柚留と谷内くんと向かい合うように、二人の女の人がいた。そう、女の『子』じゃなくて、女の『人』って感じの、明らかに上級生っぽい大人びた人たち。ついつい食い入るようにその四人を見つめてしまっていると。

「な……っ」

　女性の一人がスマホを取り出す。続いて谷内くん。もう一人の女性。そして、谷内くんに諭されるように、柚留も……。
　みんなでふるふるして、これはもしかしなくても、連絡先交換してる!?
　あたしはついつい、あんぐりと口を開けてその一部始終を凝視してしまっていた。
　まばたきも忘れて。うおう、目が渇くっ！

「あら、さーっそく」

　詩織が隣で、楽しそうに笑った。
　入学早々上級生と連絡先の交換なんてっ!!　てかそもそも、あの二人は誰っ!!
　憤りにも似た気持ちを覚える。
　どうやら新生活は、波乱の予感――!?