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ご主人様=ドSせんせい
第21章 確執☆榊原家の事情
「では、旦那様がご帰宅されましたら、お迎えにあがります。何かありましたら、お呼びください。失礼します。」
メイドがいなくなり俺は、自分の部屋に久しぶりに足を踏み入れた。
あの頃と何も変わらない俺の部屋…。
中央に飾られたグランドピアノを見て、俺の心が揺れた。
毎日毎日何時間も、このグランドピアノと過ごしていた。
思い起こせば、このグランドピアノこそが俺の青春だった。
主人のいなくなったグランドピアノは、変わらずに部屋の中心で主人の帰りを待っていたのだろうか…?
「久しぶりだな…。」
俺はグランドピアノに話し掛けて、その椅子に座り、鍵盤に指を置く。
懐かしい感触。
何度もたたいた鍵盤のタッチは、やはりどのピアノよりもしっくりくる。
俺は何度も弾いたあの曲を久しぶりに、このグランドピアノで弾いた。
そう思い出のあの曲を…。