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ご主人様=ドSせんせい
第21章 確執☆榊原家の事情
「相変わらずピアノの腕は、落ちていないようだな。」
「お陰様でな。ピアノは俺にとって、人生そのものだからな。誰かに負ける気もしないさ。で、わざわざ俺を連れ戻して、俺に何の用だ?」
グランドピアノの蓋をそっと閉めて、親父の顔を見た。
「単刀直入に聞く。高校生と付き合っているというのは、本当なのか?」
親父の表情が険しくなるのがわかった。
「あぁ。隠すつもりもない 。付き合っている。それが親父と何か関係でもあるのか?俺は、この家と縁を切った。何をしようと、この家に迷惑はかからないだろう。」
「そんな簡単な事ではない。俺もお前も、名の知れた音楽家だ。ましてやお前は、教壇に立っているのに、未成年のしかも生徒に手を出してるなんて、世の中に知れたら、スクープものだ。榊原家の名を汚されては、困るからな。その娘とは別れろ。お前がちゃんと別れるまでは、この家から出すわけにはいかない。」
「この家がどうなろうが、俺の知った事ではない。
俺は俺で生活をしているんだ。夏休みだが、仕事もある。こんなとこにいるわけには行かない。」
一歩も引く気のない親父を睨み付ける。
俺だって譲る気はない。
どちらも譲る気等ない話だ。
話は平行線で、全く解決の糸が見えなくなっていた。