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ご主人様=ドSせんせい
第21章 確執☆榊原家の事情
このままでは解決しないと思ったのだろうか。
親父が急に話を変えてきた。
「そう言えば、お前が勤めている学校に翠川が赴任しただろう?」
急に未来の話を出してきた親父、何か嫌な予感がする。
「だったら、どうした?」
俺は露骨に怪訝な顔をして答えた。
「お前は、翠川に夢中だったじゃないか?今、アイツは恋人もいないはずだ。どうだ?その娘と別れて翠川と一緒になればどうだ?少々気に入らないが、高校生よりはマシだ。それなら私も、お前にはもう何も言わない。どうだ?」
とんでもない親父の提案に、俺は心底ガッカリしていた。
相変わらず、この人は自分とこの家を守る事しか考えていないのだから。
結局、俺もこの人にとっては、利用出来るものでしかないわけだ。
そう、息子だなんて考えた事もないのだろうな。
あの日、未来に捨てられた時だって、この人は何もしてはくれなかった。
この人が勝手に結んだ未来との契約により、俺は傷付き一時は、生きているのもしんどかったのに。
手を差しのばしてくれる事もなかった。
この人のやり方は、今も昔もかわらない。
人の気持ちなんて、この人には一生分からないんだろうな。
ある意味、可哀想な人だがな…。
そんな生き方しかできないのだから…。