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第29章 思惑☆榊原誠と翠川未来

☆☆榊原誠side☆☆


息子の星夜が家を飛び出してから、私は息子を探していた。

幼い頃から音楽の英才教育を受けさせ、星夜はみるみるうちに、音楽家としての才能を見せてきた。

特にﾋﾟｱﾆｽﾄとしての才能は、素晴らしく将来有望なﾋﾟｱﾆｽﾄとして、期待されていた。

だが、思春期になると星夜は、やる気がなくなりﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした生活を送るようになった。

思春期の星夜に女の色気を武器に生きている翠川を先生として近付けたんだ。

星夜は、こちらの思惑通り翠川に惚れ練習をし、ﾋﾟｱﾆｽﾄとして認められるようになった。

私との契約が終わった翠川は、海外に男と飛んだ。

たいした才能もないのに。

勘違いにも程がある。

案の定翠川は向こうでは全く注目されず、私にまた頼ってきたのだ。

お金だけの契約、それ以上は私も何もするつもりはなかった。

翠川と私の契約を知った星夜は、家を出ていった。

そして音楽家としての活動をしなくなったんだ。