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第30章 原点☆音楽室の情事

あの日以来、先生とは会っていない。

メールや電話はたまにするけど、やっぱり顔を見れないのは寂しい。

今日は久しぶりに学校の登校日。

先生も今日は学校にいるみたいで、私達はいつものように、放課後の音楽室で会う約束をしている。


｢久しぶりだねー。元気だった？｣

部活をやってる花菜とは夏休み中、時間が合わず全然会えなかったから、今日は久しぶり。

｢なかなか会えなかったもんね。｣

｢部活ばっかで、夏を全く満喫出来てないよー。熱い恋がしたいよ。｣

花菜が悲しそうに言う。

｢でもさ、部活に打ち込めるって素敵だよ。｣

｢そうかな？｣

私は先生とも会えず、毎日ﾋﾟｱﾉの練習に明け暮れる日々だったから、部活っていいなって思うんだ。


｢おっ！お二人揃って久しぶり！元気だったか？｣

突然ﾎﾟﾝと肩を叩かれて、振り返ると、笑顔の柊斗がいた。

先生のｺﾝｻｰﾄに行って以来、柊斗にも会ってなかったから、久しぶりだ。

夏休みに色々あったから、こうした普通の学校での光景が、懐かしくさえ感じる。

とは言っても、まだ夏休みは終わってないんだけど…。