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第32章 合宿☆ﾊﾞｽの中で…

学校の前、大型ﾊﾞｽに乗り込むために並ぶ生徒達の中に私もいる。

今日から榊原先生と行く、音大受験対策合宿が開かれるのだ。

音大受験とは関係ないだろう生徒も、ちらほらといる。

本来の目的で参加してる生徒なんて、一握りにすぎない。

そう、皆の目当ては榊原先生。

先生と二泊三日も一緒に過ごせるとなれば、皆参加したくなって当たり前で…。

そんな中、私の付き添いで参加してくれた柊斗と花菜には感謝で一杯だ。

二人もやはり音大志望ではないのだから。

心配していた男子の数も、それなりにいる。

榊原先生人気で女子が集まるから、それ目当てで来た男子もいるようだ。

とりあえず、男子が柊斗だけになるっていう事態にならずにすんで、良かったなと思う。

こうして、色々な思惑を胸に秘めながら、榊原先生と行く合宿という名の旅行が、ｽﾀｰﾄしたのだった。