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ご主人様=ドSせんせい
第35章 困惑☆滝澤柊斗の思い
「そっか。そいつに気持ち伝えたのか?」
「ううん。伝えてない。」
自分の洋服の裾をギュッと握って俯く沖田。
よっぽど、そいつの事好きなんだろうなぁ。
「気持ち伝わるといいな。沖田なら大丈夫だよ。お前のいいとこきっと、相手も分かってくれるさ。頑張れよ!」
沖田の肩をポンと叩いてそう言った。
沖田の肩が震えている。
俯いた顔を覗くと、頬にキラッと光る物が流れた。
えっ?泣いてるのか?
何でだ?
また俺は何か悪い事言ったか?
また俺の頭の中は疑問で一杯になる。
「沖田、ごめん。俺何か悪い事言ったか?」
「ううん。ごめん。滝澤のせいじゃない。気にしないで、本当にごめん。」
そう言って沖田が顔を上げると、いつもの笑顔だった。
さっきの涙は、なんだったんだ?
俺は沖田が泣いた理由が気になって仕方なかった。
そんな俺達の元に、愛音と先生が楽しそうに戻ってきた。
だから、それ以上は聞けなかった。
でも、この合宿でその意味がわかるなんて、この時はわからなかった。