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第2章 出逢い☆音楽室の光景

｢ん？愛音？急いでどこ行くの？｣

途中で花菜に声を掛けられる。

｢ちょっとね…。すぐ戻るよ。｣

｢休み時間15分しかないから、気を付けてねー。｣



渡り廊下を急いで渡り隣の校舎へ進む。

音楽室の前に着く。

私は迷う事なく、音楽室のﾄﾞｱを開けた。

ﾄﾞｱを開けて中を見るが、誰もいない…。

ｸﾞﾗﾝﾄﾞﾋﾟｱﾉに近付くと、さっきの『乙女の祈り』の楽譜が置いてある。


私も同じように弾けるだろうか。


私は誰もいない教室で、さっきの人が弾いていた『乙女の祈り』を、導かれるように弾いた。


ダメだ。私にはあんなに素敵な音色を響かせられない…。


そう思い演奏をやめて、立ち上がると、隣の準備室に人影が見えた。

準備室を覗こうとしたその時…

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ〜♪

ﾁｬｲﾑが鳴り出した。

いけない！遅れちゃう！

私は音楽室を急いで後にした。

隣の準備室からあの人に、見られていたとは知らずに…。