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戦国×ミュージック
第1章 心を合わせて~信長交響曲~
『オーケストラ本能寺の変』
1582年、天下統一を目前にした信長が宿泊していた本能寺が、火を放たれ攻められた。下手人は、明智光秀。謀反により、織田信長は表舞台から姿を消した。
「信長様……あなたはいつでも平等を謳いながら、一部の者ばかり贔屓して! オーケストラは皆のメロディーを合わせてこそなんです、あなたは……指揮者失格だ!」
「ほう、それで謀反か。お前もなかなか大胆だな」
「これからのオーケストラは、私が本当に平等な音楽を作り上げてみせます。理想のために……御免!」
「ふむ……平等か。お前の不満、是非に及ばず」
「な、今さらそんな事を言っても、許してなんてやりませんよ! あなたはこの炎の中、引退会見を開くんです!」
「人間五十年ー……」
「それは、敦盛……?」
「下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり……」
「う、美しい舞だ……くっ、わ、私は、こんな才ある方を抹殺しようとしたなんて! 申し訳ありません、信長様! やはり、オーケストラには、信長様が必要です!」
「うむ、やはり我は指揮者より、ソロアーティストの方が向いていると思うのだ。よし、いい機会だ、我は今日から単身アメリカへ渡り、全米デビューを目指すぞ!」
「えぇー!?」
「じゃ、あとは好きにしてくれ。あ、お蘭だけは連れて行ってもいいか?」
「いや、私の話聞いてました!? というかアメリカってどこですかー!?」
信長は本能寺の変で亡くなった、と言われているが、その遺体は見つかっていない。同じく光秀も、秀吉との戦いの後落ち武者狩りにあったと言われているが、遺体は見つかっていない。
光秀は生きていて、徳川の僧天海として生きた、というロマンな説もありますが、あくまでロマン。