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続・捨て犬
第8章 俺も、舐めてぇ
とにかく
涙をぬぐってやろうと
エミの頬に手を伸ばすと

あっ・・熱い

どうやら
エミは熱を出してしまったみたいだ


「寒いか?」


「・・うん・・」


可哀想に・・・

俺が
エミと同じ布団の中に入り
「おいで」
ってエミを抱きしめると
エミは
小刻みに震えながら
俺にしっかりと
抱きついた


「もう大丈夫だからな?」


「でも・・・」


「泣かなくてもいいよ
大丈夫だから」



「・・っ・でも・・でも・・」



「明後日じゃなくてもいいんだ

元気になったら
いつでも連れてってやるから
心配すんな。な?」



「っう・・カズマ・・・」


そう言っても
エミは
なかなか泣き止まなかった


俺に申し訳ない

というより

楽しみにしてた
動物園が
延期になりそうなことが
よほど
悲しかったんだと思う


ほんとうに
子供みたいだ


由香ちゃんの話だと
エミは
動物園に行ったことは
あるらしいんだけど
行ったのは
すごく小さな頃で
ほとんど記憶はないらしい

アルバムの写真を見て
行ったことが
あるんだな・・・と
思ったそうだ


まぁ

幼いころなんて
誰でも
そんなものかもしれないが
普通、遠足とかでも
動物園とか行くんじゃねーの?
それも
行かせてもらってなかったのか?


そんなエミには
憧れ・・・
みたいなものが
あるんだろうな

おにぎりや
カレーに
憧れるくらいだからさ


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