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続・捨て犬
第9章 や、やわらけぇ〜、つか、あったけぇ〜
それから
2人で弁当を食べた
その食べてる間に
俺は100回くらい
小さな声で
「うまい!」
を連発すると
そのたびに
またエミは
恥ずかしがってたけど
うれしそうだった
そして俺達は
ふれあいコーナーへ向かった
ふれあいコーナーは
ベンチに座って
うさぎやハムスターを
膝の上で
なでなできるようだった
俺とエミが
並んで指定のベンチに座ると
「どの子を
抱っこされますか?」
と、優しそうな飼育係の人が
エミに声をかけた
エミは
いつものように
俺の顔をじっとみて
助けを求める
「うさぎだろ?」
って言うと
エミは首を縦にふった
「うさぎさんですね~
かわいいですよぉ
今は
お客さん少ないので
好きなうさぎさん
連れてきますよ
何色の子がいい?」
って
また係りの人が
エミに問う
今度は
俺を見ないで
じっとうさぎを見つめた後
エミは
「し・・しろ・・」
って
ち~っちゃい声を出した
「はいっ
ちょっと待ってて下さいね」
係りの人が
背中を向けた後
エミは
ちょっと満足げに
俺を見つめた
多分
言えたよ
って
俺に言ってるんだろう
あ、来た!
「お待たせしました~」
白い小さなウサギは
飼育員の手の中から
ゆっくりと
エミの膝に置かれた
もにょもにょと
口を動かしてるけど
大人しく
身体を丸める・・白うさぎ
「やさし~く
撫でてあげてくださいね~」
と、係りの人が
手本を見せると
エミは
触れるか
触れないかくらいの
強さで
うさぎを
撫ではじめた