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続・捨て犬
第16章 いくつ?

そして
なんとも
微笑ましい
久保木さんの友人が
タクシーに乗り込み
俺とエミも
二人に声をかけ
式場をあとにした。
タクシーに乗り込むと
慣れない場所で
やっぱり疲れたのか
エミはすぐに
うとうとと
しはじめ
俺の肩に
頭をあずけた
そんなエミの手の中には
ブーケ
袋に入れてやるからって
言ったのに
このまま持って帰るって
聞かなくて・・
子供みたいだ
本当に
夢が叶うとでも
思ったんだろうか
それとも
これを手放したら
夢が叶わないとでも
思ったのか?
眠りに落ちてしまった
エミの手から
そっとブーケを
取り上げ
俺は
エミの小さな手を
優しく握った
知ってるよ
暇があれば
エミが
いつも携帯見てること
それは携帯の中に
登録されてるカレンダーで
自分の二十歳の誕生日を
画面に表示させてることも
二十歳になったら
結婚しよう
エミを苦しませる
すべてから
お前を救うよ
二十歳になれば
エミは
自由なんだから
そう
思いながら
俺の脳裏には
萩原のおばさんの顔が
浮かんでいた
うなずきながら
拍手をしてくれた
おばさん
おばさん
なんて言うかな・・
俺が
結婚するって言ったら・・。
はぁ・・・
エミのひでぇ
親のことなんかより
親のような
萩原のおばさんのことが
気になって
仕方ねぇ
俺は
スヤスヤと眠る
エミの顔を覗きながら
また
大きなため息をついた

