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続・捨て犬
第16章 いくつ?

「こんにちは~」
「あ、いらっしゃ~い」
笑顔で
出迎えてくれたのは
久保木さんじゃなく
萩原のおばさんだった
「あ、昨日は
お疲れ様でした」
「こちらこそ
二人そろって
来てくれてありがとうね
いい結婚式になって
ほんと
よかったわ~」
俺が泣いた事を
言ってんのか
おばさんは
ちょっと意味深な
言い方をして
笑った
「な、なんすかそれ」
「いいからいいから
どーぞ入って~」
店の中に入ると
久保木さんも
笑顔で待っていてくれた
「どんな風にしたいか
カタログを見せて
決めてもらいたいから
エミちゃん
奥の部屋に連れてってもいい?」
早速
久保木さんは
ブーケの手配を
してくれるようだ
「あ、うん
じゃあエミ
行ってこいよ」
「・・・」
‘決める‘
この言葉が引っかかるのか
エミは
不安そうな顔で
俺を見上げた
「決められなかったら
決めてやるから
とりあえず
見て来いよ、な?」
「・・うん」
不安そうな顔をしながらも
ブーケをしっかり握って
奥の部屋へ消えていくエミは
久保木さんと
歳は6歳しか変わらない
それなのに
こんなにも
差があるのか・・・
久保木さんは
かなり
しっかりしている方だとは
思うけどさ。
なんだか
色んな事が
不安になりながら
俺は
エミの背中を見つめていた

