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第17章 最終章①・・・協会

結婚すれば
エミの行方は
もう
分からなくなる

そう思ってたんだ


けど
親子の繋がりは
そんなことじゃ
なかなか切れることはなく
どんな卑劣な親だとしても
エミを探すことができるらしい

エミと結婚して
住民票を移すってことは
エミの居場所が
特定されてしまうってことで
逆に
エミを追い詰めることに
なるかもしれないんだ


そのことを知った俺は
この一年
散々、萩原と
議論を繰り返してきた

いったい
俺達はどうすればいいのか。


このまま

エミが親から
見つからないように
籍を入れない方がいいのか

それとも

見つかるの覚悟で
籍を入れるか…。



『籍を入れない』

そんな悲しい選択は
もちろんしたくない

それに…

子供ができたらどーすんだよ

保険証とか


どーすればいいんだよ…


けどもし
籍を入れたとしたら

萩原の両親に
何て言えばいいんだ

エミの親のこと
聞かれるに決まってる


そして
居場所を嗅ぎつけたエミの親が
エミを連れ戻しに来て
もしも萩原のカフェに
迷惑かけたりしたら…


俺の頭の中で
その問いかけが消え失せることは
数分足りともなかった