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淫らに咲く華
第1章 火黒 無防備なお前
火神side
アイツはわかってない。
『なあ、お前黒子の事どう思う?』
『ああ〜……何か影薄いけど可愛い、よな……』
『わかる、男にしちゃ小柄だし……俺アイツなら男でもイケるわ』
『わかる』
そんな会話が耳に入る。正直言って今すぐにでもぶん殴りてえ。
でもそんな事したら部活参加出来なくなるし何より黒子から嫌われちまうし。んな事ぜってーやだし。
あー!でもやっぱりイライラする……
――――
「か、火神君……?血、出てるわよ?」
顔を引き攣らせながら心配そうにのぞき込んでるカントク。カントクの言葉にハッとして慌てて見てみたら強く握りすぎたのか掌から血が出てた。
(そんだけ気にしてたんだな……)
なんて、心ん中でどこか冷静に考える。つーか、黒子も黒子ですげー無防備だし……意味わかんねえ。
こないだだって……
『ッッ……すみません』
『おわ!?あ、ああ黒子か……吃驚した……。まあ、気にすんな』
ぶつかった相手に、黒子らしく丁寧に謝ったのはまだいいんだ。その後だ後。その後ぶつかった相手の男に頭撫でられてるし……相手ぜってー黒子に下心あるし……それに黒子は全ッ然気付かないし……
撫でられてんのに……男に撫でられてんのに嫌な顔しねえし。
「あ"あ"ぁあ!クソッ!」
あまりにイライラして、無我夢中でダンク決めまくった。カントクは何か……褒めてんのか怒ってんのかよくわかんねー口調で俺に色々と言ってきたけど……あんま、入ってこなかった。
「…………」
黒子が俺のこと見てるのに……気付いてるけど気付いてないふりをして、ただ黙々と練習しまくった。