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【SS企画】みんななかよし
第5章 【SS企画】①ハルとモモが初恋の話をする
 

 Haru side


 へっぽこ作者に生み出された、いじめられ尽くされているキャラ達が、透明な硝子の向こうで俺とサクラを見ている。

 マジックミラーのつもりで、こっちの会話聞いているならぶっ殺す。

 シズもシズだ、なにそっち側でにやにやしているんだよ。初恋の話をマジにしないとヒロインと絶対結ばせないとか言われたら、俺様はマジもんでお前の話をしねぇといけないんだよ。

 なにが嬉しくて、本人にも言ってねぇのに、サクラに語らないといけねぇんだよ。

 お前のことだよ、お前!

 俺様の隣に住んでいる、17歳の乙女ぶったアラサー葉山静流!

 お前が隣に居るおかげで俺36歳にもなってまだ、実家暮らしじゃねぇか。


 俺とサクラは、背の高い椅子に座らせられ、間には丸テーブルがおかれてある。そこには俺が吸っているタバコの灰皿とティッシュの箱がひとつ。

 おいおい、男ふたりでオナれとでも言うのかよ。

 ゴーンと、どこかのアホタレの頭の中にでもあるようなゴングが鳴る音がして、声が聞こえた。

『はい、ではハルさんからお話下さい。尚、こちらには聞こえていませんので、ご安心下さい』

 シズの声だ。

「サクラからじゃなく、俺からなのか?」

『はい、そうです』

 聞こえてるんじゃないかよ!!

 にやにやすんなよ、絶対お前、俺が今でも初恋を引き摺りいまだ36歳独身でいる理由をわかっていないよな。

 お前だよ。

 お前が初恋で今でも好きなんだよ。

 少しは気付よ、コラ!!

『ハルさん、初恋の話、聞かせて下さいよ~』

 にやにやとした声。

 そうか、そうか、お前が鈍感ぶる気なら、言ってやろうじゃないか。
 
 本編でも言ったことのねぇ、初恋話を。

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