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【SS企画】みんななかよし
第13章 皆で節分!
「ぎゃあああああ」
「しーちゃん、動くんだ!!」
「ナツ、早くその人を連れて部屋の外に!!」
「陽菜、今のうちに逃げろ!」
「姫様もあちらへ!」
「でも、シズちゃんが、シズちゃんが!!」
「シズルちゃんっ!!」
「来た早々で悪いが、皆、我と逃げるのだっ!!」
「o(T◇(T◇(T◇(T◇T)◇T)◇T)▽^*)o 」
「こーづき、ひな、行くぞ」
「あ、ひーちゃんどこ!?」
「待ってぇぇぇ~、やだあ、ハゲちゃんが、ハゲちゃんが」
「ハゲハゲ言うな、お前をどうしてやろか~」
「いやあああああ」
気づけば豆まきからリアル鬼ごっこ。
泣き叫ぶ者、恐怖に引き攣る者、半分ホラーと化している。
「サク、密やかに練習していた、あれを出すぞっ!!」
「わかった! 行くぞ、ユウキ!!」
「「マッスルアタック!!」」
……まだ、寝れそうにない。
今夜は、何時に寝れるんだろう。
俺、夜勤明けなんだよ。
超ハードの、三連チャンになる寸前で……。
ふっ、誰も気にしちゃくれねぇ。
まあ、今更だけどよ……。
ああ、節分なんて、嫌いだ……。
「こんばんは、遅れたっす! あれ、なんっすか、この惨状。葉山さんなに白目剥いて……結城さん、なに倒れてるっすか? 殺人事件が起きたとか? 皆、大丈夫っすか、生きて……」
「泣く子はいねか!!!」
「ぎゃあああああ。110番、110番!」
「豆の食い過ぎで、便所に籠もってもう少しだった俺を呼んだのは、お前らか!! なんで本部にいる俺にいつも回ってくるんだよ、お前らの案件は!!」
「まあまあそう怒らず。ウサギさんも一緒に、便通がよくなることを祈って。はい、僕が大好きなオマメちゃんです」
「弟ちゃんが言うと卑猥だなあ。でもまあ。行くぞ!!」
「「「はい! 福はうち~」」」
「ク○はそと~」
めでたし、めでたし。
「なわけねーだろ!? 俺様が必死に鬼をしていたのを、最後数行の飛び入りが、汚ねぇ○ソでかき消すんじゃねえよ!!」
「うわー、ギブギブ!! ハル、ギブ!!!」
「俺を寝かせろ――っ!!!」
魔滅(まめ=魔を滅する)をまくのが、節分の風習。
今年も皆さんの家に幸と運がありますように。
【完】