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Cross roads
第3章 Cross road 3
「昔…母親が突然家を出て行ったんだ…俺への説明も何もなくて、ただ、この人は俺より大事な物が出来たんだって、思った…誰かを好きになっても…ある日突然居なくなっちゃうんじゃないかって、それが…怖くて…」

「大丈夫です。私は、突然消えたりしません…萩原さんの写真を見たとき、カッコいいな、って思いました。でも、なんとなく、寂しそうだな、とも感じました。…人に愛されたいと願うのは、当然の感情だと、思います。恥ずかしいことでも、我儘でも、ないですよ…」

田嶋さんが、隣に来てくれた。

まるで、子供にするみたいに、キュッと抱き締められる。俺より小柄な身体なのに、すごく、安心して…
俺は…情けないと思いながら…でも、自分の感情をコントロールすることができなくて…田嶋さんに縋るようにその身体を抱き締めた。

「側に、いて下さい…居なくならないで…」

「わかりました…私で良ければ、側に居ます。突然消えたりしないって、約束します…」
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