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第7章 Cross road 7

「辻本さん、ちゃんとガン検診とか受けてる？乳ガン、子宮ガン、馬鹿にせずにちゃんと毎年受けとけよ。後から後悔しても遅いから…」

ガン…

「奥様も…？」

課長は軽く頷いた。

「2人目の妊娠中に、乳ガンが見つかって、な…俺は正直、もう子供は1人居るわけだし、2人目を諦めてでも、手術したかった。生きる選択をして欲しかった。けど、子供を諦めても、根治は保証出来ないって言われて。嫁さんは、何年かの延命の為に子供を諦めるなんて嫌だって聞かなかった。結局、8ヶ月で帝王切開で出産して、すぐ手術したけど、転移もしてて。娘が1歳になる前に亡くなった。」

「…そう、だったんですか…」

「子供も今の嫁さんには懐いてるし、言わなきゃなさぬ仲だなんて思われないだろうけど、な。」

「課長のご家族、理想的だな、って思ってたんです。お弁当持って来てたり、毎年家族写真撮ったり。この間持ってきてくださったピクルスもすごく美味しかったし！」