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桃色フラストレーション
第19章 雨の新宿
金曜の夜、仕事から帰り自宅で夕飯を食べていると、高崎くんから電話があった。あまりにも急で、メッセージもなく電話が鳴ったので、驚いてしまった。
「もしもし……桃井?今どこ?」
「え……家だけど……どしたの?」
「俺、今、東京にいる」
「えっ……?」
耳を疑った。栃木での仕事と病院の往復で多忙なはずの高崎くんが、何故東京に……?
「親父が死んだんだ」
……っ!?さっきよりも耳を疑った。
「え……なんで!?だって入院してても命に別状はなかったはずじゃ――、」
「俺もなんで……って思う。……急変したんだって」
「そんなことって……。えっと、いつだったの?」
「……火曜かな。おとといお通夜で、昨日葬式で火葬場行って……」
力なく淡々と答える高崎くんの後ろで、ガヤガヤとたくさんの人が往来する音がして、聞き取りにくい。
「忌引きでしばらく休みでさ……やんなきゃならないことたくさんあるのに、何したらいいのかわかんなくて……、なんか、気付いたら電車乗って東京来てたんだ。……桃井に会いたいなーってぼーっと思って……」
「それで、今、東京のどこ……?」
「新宿駅」
「わかった、今から行くね」
外は雨が降り出していた。明らかにいつもと違う様子の高崎くんが心配で、私は急いで新宿へ向かった。
「もしもし……桃井?今どこ?」
「え……家だけど……どしたの?」
「俺、今、東京にいる」
「えっ……?」
耳を疑った。栃木での仕事と病院の往復で多忙なはずの高崎くんが、何故東京に……?
「親父が死んだんだ」
……っ!?さっきよりも耳を疑った。
「え……なんで!?だって入院してても命に別状はなかったはずじゃ――、」
「俺もなんで……って思う。……急変したんだって」
「そんなことって……。えっと、いつだったの?」
「……火曜かな。おとといお通夜で、昨日葬式で火葬場行って……」
力なく淡々と答える高崎くんの後ろで、ガヤガヤとたくさんの人が往来する音がして、聞き取りにくい。
「忌引きでしばらく休みでさ……やんなきゃならないことたくさんあるのに、何したらいいのかわかんなくて……、なんか、気付いたら電車乗って東京来てたんだ。……桃井に会いたいなーってぼーっと思って……」
「それで、今、東京のどこ……?」
「新宿駅」
「わかった、今から行くね」
外は雨が降り出していた。明らかにいつもと違う様子の高崎くんが心配で、私は急いで新宿へ向かった。