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桃色フラストレーション
第24章 香港での再会
成田から香港へのフライトは、約5時間半。慣れない海外渡航と、刻々と迫っているであろう光との再会に緊張しながら香港国際空港に降り立った私を、ワタリさんはすぐに見つけてくれた。事前に写真を送るように言われていたから。
「桃井千代さんですね?ようこそいらっしゃいました。ささ、こちらへ」
ワタリさんは想像通りの紳士だったけど、想像していたよりも年が……、上……?40歳ぐらいだろうか。28歳の光の部下なのに……?少し不思議に思いながら、連れて行かれるがままに外へ向かう。
「香港は、初めてですか?」
「あ、はい……。ワタリさんはもう長いのですか?」
「そうですね、あちこち転々としていまして……、20代の頃に数年いたこともありましたが、それからアジア各国を回ってヨーロッパにも行って……、ここ一年また香港に戻ってきたという感じで」
「すごい、グローバルなんですね……」
「まぁ、サラリーマンの性と言いますか……、サキガケ商事でしか働いたことがありませんので、転勤には抗えませんね」
苦笑いをするワタリさんの顔に、苦労が垣間見える。
「信頼していろいろ任せてくださっている経営陣のお人柄のおかげ、ですよ」
そう言われて、私はサキガケ商事のことを何も知らないことに気付いた。光の勤務先なのに……、そこそこ大きな商社だということぐらいしか知らない。
「では、こちらのお車へどうぞ」
「えっ……?」
案内されたのは、立派なリムジン。どういうこと……?
「澤田支社長のはからいですので、お気になさらず。一流のドライバーがホテルまでお連れします」
香港ではこういうのが普通なのかな……?きっと、そうよね……?と思うことにして、車に乗った。けど……、案内されたホテルが、これがまた……ゴージャス過ぎて。
「こちらのタワーホテルのスイートルームをご用意しております。澤田支社長のはからいですので……」
「ちょ、ちょっと待ってワタリさん……。光は、……澤田さんは、いったい……」
何者なの……!?
ワタリさんは、ふっ、と優しい顔で微笑んだ。
「あいにく口止めされておりますので、お答えできません。どうかご本人からお聞きください。お部屋でお待ちになられていますよ」
「桃井千代さんですね?ようこそいらっしゃいました。ささ、こちらへ」
ワタリさんは想像通りの紳士だったけど、想像していたよりも年が……、上……?40歳ぐらいだろうか。28歳の光の部下なのに……?少し不思議に思いながら、連れて行かれるがままに外へ向かう。
「香港は、初めてですか?」
「あ、はい……。ワタリさんはもう長いのですか?」
「そうですね、あちこち転々としていまして……、20代の頃に数年いたこともありましたが、それからアジア各国を回ってヨーロッパにも行って……、ここ一年また香港に戻ってきたという感じで」
「すごい、グローバルなんですね……」
「まぁ、サラリーマンの性と言いますか……、サキガケ商事でしか働いたことがありませんので、転勤には抗えませんね」
苦笑いをするワタリさんの顔に、苦労が垣間見える。
「信頼していろいろ任せてくださっている経営陣のお人柄のおかげ、ですよ」
そう言われて、私はサキガケ商事のことを何も知らないことに気付いた。光の勤務先なのに……、そこそこ大きな商社だということぐらいしか知らない。
「では、こちらのお車へどうぞ」
「えっ……?」
案内されたのは、立派なリムジン。どういうこと……?
「澤田支社長のはからいですので、お気になさらず。一流のドライバーがホテルまでお連れします」
香港ではこういうのが普通なのかな……?きっと、そうよね……?と思うことにして、車に乗った。けど……、案内されたホテルが、これがまた……ゴージャス過ぎて。
「こちらのタワーホテルのスイートルームをご用意しております。澤田支社長のはからいですので……」
「ちょ、ちょっと待ってワタリさん……。光は、……澤田さんは、いったい……」
何者なの……!?
ワタリさんは、ふっ、と優しい顔で微笑んだ。
「あいにく口止めされておりますので、お答えできません。どうかご本人からお聞きください。お部屋でお待ちになられていますよ」