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桃色フラストレーション
第25章 とめどなく
解放感からネクタイを緩め、外して、ワイシャツのボタンを開ける光に、胸がときめく。久しぶりに見るその姿をようやくまじまじと見られるようになってきた……。
「あの、それで……確認だけど」
「何?」
「光の方は、今はいないの……?他の、」
「いたらこうしてお前をここに呼ぶと思うか?」
呆れた様子でため息交じりに帰される。
「うん……わかってるんだけど、確認……」
「……いないよ。千代しかいない」
「よかった……」
「ていうかこっち来てからマジでめっちゃ仕事振られてさ。仕事しまくってたから七光りだけじゃなくてこっちの部下たちの希望もあって支社長になったわけだけど」
「そうか……、すごいね」
とても人望があり優秀な方なので……、というワタリさんの言葉を思い出す。

「その……、千代を迎え入れたかったから……実力でモノ言えるようにしたくて……。いやー、忙しかったんだぞ仕事!けど大きな山をいくつも越えて自信もついた」
私がうだうだ迷ったり勝手に諦めて迷走したりしている間に、光はそんなに頑張ってたんだ……。でも……、私だって……あのいろんなことがあったからこそ、今、ここにいる……。もう、振り返ったりくよくよしたりしてはいけない。

「そっち行っていいか」
「……うん」
光が立ち上がり、ソファの隣に座る。
「あぁ……、めっちゃドキドキしてるオレ」
「うん……私も」
そっと抱き寄せ包み込まれて、触れるようなキスを繰り返される。これだけで、胸の奥がきゅんとなる。
「……好きだよ千代……」
「私も……好き……、大好き……」
少しずつ大胆になっていくキスを降り注ぎながら、光はゆっくり私のブラウスのボタンを外していく。
「はぁ……千代のにおいがする」
「あ……、シャワー、浴びてこようか……っ」
「いい、このままがいい。このままの方が……燃える」
ちゅっ、と頬にキスをしながらそう言われ、鼓動が高鳴る。
「やだ……、においって……」
変態っぽいな、と思いつつ、そう言われて私も光のにおいを改めて感じた。心も身体も昂揚していく……。
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