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桃色フラストレーション
第26章 光のシンフォニー
夜になり、身支度を整えてのディナー。これまたゴージャスなルームサービスが届けられ、美味しいワインとお料理と幸せな時間に酔いしれていると、光がチラチラ時計を気にし始めた。
「どうしたの?なんかお仕事の約束でも……?」
「あ、いや、違う。大丈夫」
この大丈夫は……何か隠している感じだなぁ、と、心配になる。
「えぇと……、夜景でも見ないか、千代」
「見たい見たい!」
100階より高いこのスイートルームから見下ろす夜景は、どれだけ綺麗なんだろう……。光のあとについて窓際に行くと、彼がレースのカーテンをバッと開いた。目の前に広がるのは、宝石箱どころか宝の山みたいに輝いている夜の香港――これぞまさしく百万ドルの夜景。
「す、すごい……!」
「綺麗だろう?やっと千代と見れた……。見るたびに、一緒に見たいなぁと思ってたんだ……」
光はまだチラチラ時計を気にしてポケットに手を入れている。
「……もうすぐだな」
もうすぐって……、もうすぐ、夜の8時。やっぱり何か隠してる……?
「何?ねぇ本当に時間大丈夫?」
「ん。大丈夫だ」
腰に手を回し、光が笑顔でそう言った瞬間――、
――街のあちこちからまばゆい光と音楽が巻き起こった……!
「う、うわぁぁっ!?な、何これっ……すごい、綺麗……!!」
百万ドルの夜景から湧き上がる、幻想的な色とりどりのレーザー光線と音楽に、鳥肌が立つ。
「これは『シンフォニー・オブ・ライツ』っていうんだ。香港では毎日、夜8時から13分間だけ行われるもので……、世界に誇る光と音楽のレーザーショーなんだよ」
「知らなかった……すごい……!」
「千代」
その贅沢な景色に魅入っている私の顔を自分に向けさせて、光が言った。
「ちゃんと今後のことを考えて欲しい。オレと結婚して一緒に暮らしてください」
真剣な目に射抜かれ、引き込まれそうになる。
「どうしたの?なんかお仕事の約束でも……?」
「あ、いや、違う。大丈夫」
この大丈夫は……何か隠している感じだなぁ、と、心配になる。
「えぇと……、夜景でも見ないか、千代」
「見たい見たい!」
100階より高いこのスイートルームから見下ろす夜景は、どれだけ綺麗なんだろう……。光のあとについて窓際に行くと、彼がレースのカーテンをバッと開いた。目の前に広がるのは、宝石箱どころか宝の山みたいに輝いている夜の香港――これぞまさしく百万ドルの夜景。
「す、すごい……!」
「綺麗だろう?やっと千代と見れた……。見るたびに、一緒に見たいなぁと思ってたんだ……」
光はまだチラチラ時計を気にしてポケットに手を入れている。
「……もうすぐだな」
もうすぐって……、もうすぐ、夜の8時。やっぱり何か隠してる……?
「何?ねぇ本当に時間大丈夫?」
「ん。大丈夫だ」
腰に手を回し、光が笑顔でそう言った瞬間――、
――街のあちこちからまばゆい光と音楽が巻き起こった……!
「う、うわぁぁっ!?な、何これっ……すごい、綺麗……!!」
百万ドルの夜景から湧き上がる、幻想的な色とりどりのレーザー光線と音楽に、鳥肌が立つ。
「これは『シンフォニー・オブ・ライツ』っていうんだ。香港では毎日、夜8時から13分間だけ行われるもので……、世界に誇る光と音楽のレーザーショーなんだよ」
「知らなかった……すごい……!」
「千代」
その贅沢な景色に魅入っている私の顔を自分に向けさせて、光が言った。
「ちゃんと今後のことを考えて欲しい。オレと結婚して一緒に暮らしてください」
真剣な目に射抜かれ、引き込まれそうになる。