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桃色フラストレーション
第27章 妄想と現実
香港二日目、観光するのはこの日しかない。せっかく来たんだから私も少しは観光やショッピングをしたいし、光も私がいる間は休みを取ってくれていた。
「本当は半端ない仕事積んでるんだけどな……。どうせ千代が日本に戻ったらまた時間できるからすぐに取り返せるって」
「ありがとう。でも無理はしないでね」
観光と言っても、空港からホテルへ送ってくれたようなリムジンで、ワタリさんも同席で……だった。少し落ち着かないけど、お土産用にはワタリさんセレクトのものをいくつか用意してくれたりと、助かった。

外で人といる時の光は、とてもあんな絶倫エロ魔人とは思えないぐらい紳士で、スマートで、格好良い。まだ話をする前に、カフェでそっと眺めていた時のことを思い出す。なのに車の後部座席では……、私が声を我慢するのを愉しんで、胸や太腿に指を這わせたりしてくる……。

あぁ、私も光と同じなんだな、と思った。
「見るからに淫乱な女じゃダメなんだオレ……。一見普通で、でも実は淫乱で……、いくらセックスしてもまだ羞恥心を保っているような可愛い子……。それがオレの贅沢な理想だった」
光はそう言った。私も、見るからにチャラかったり軽かったりしそうな男は嫌だ……。ベッドで私だけに淫乱な姿を見せる光だから好きなんだ……。

前日やり過ぎて朝が遅かったので、出発が遅れたから観光から戻る時間も遅くなってしまった。ディナーも済ませてきたけれど、また光が時計を気にし始めた。……そうか、今夜はシンフォニー・オブ・ライツをセックスしながら見るという約束だった……。ずーっとエッチしていた昨日と違って、今日は出かけてから今までしていないので、身体が疼いて仕方がない。おまけに後部座席での焦らしプレイとも言えるようなボディタッチ……。私はもうずっと欲しがって熱くしている。
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