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桃色フラストレーション
第4章 二人の夜
「それじゃあ、えーと、知り合えたことに乾杯」
「か、乾杯……!」
信じられないことに、私は今、澤田さんとイタリアン居酒屋にいて、ワインで乾杯している。どこで飲み直すか話しているうちに、自宅の方向も同じであることがわかった。私の2つ前の駅が、彼の最寄駅だった。それで結局、彼の最寄駅にいい店があるので、そこで降りて飲もうということに……。
「今まで電車でもお会いしてたのかもしれませんね」
「はい、でも私はあまりこういう遅い時間にはならないので……澤田さんはだいたいこんな感じの時間ですか?」
会社の最寄駅で会ったのは、21時を回った頃。
「うん、結構ね、残業多くて。……えーと、お名前……、まだでしたね」
「あ……、はい!失礼しました。桃井千代といいます。コイデックスグループの子会社で事務やってます……」
ここへ来て改まって自己紹介というのも、なんだか照れくさい。
「桃井さん。オレは澤田……、澤田光です。サキガケ商事の総務部にいます。職場、近いんですね。ランチで会うんだから当たり前だけど」
「はい……。なんかストーカーみたいで気持ち悪くないですか私……大丈夫ですか?」
くすっと笑う澤田さんの笑顔。
「いや、そりゃ驚きましたけどね。大丈夫ですよ、光栄ですって言ったじゃないですか。ていうか一体、いつ頃からオレのことを……?」
「あ、ああ……、はい、確か……二ヶ月ぐらい前かと……」
なんだか事情聴取でもされているような気分になり、冷や冷やする。
「そうですか……。えぇと、ご実家にお住まい、ですか……?」
「あ、いえ、就職して栃木から上京して、独り暮らしです」
「同じだ。オレもです。群馬だけど」
「わ、近いですね!」
なんとなく共通点がいくつかあって、話しやすいというか、うまく話を運んでくれる澤田さん。そのおかげで徐々に緊張感が和らぎ、お酒もいい感じで進み、雑談をして楽しく時が流れていった。
「か、乾杯……!」
信じられないことに、私は今、澤田さんとイタリアン居酒屋にいて、ワインで乾杯している。どこで飲み直すか話しているうちに、自宅の方向も同じであることがわかった。私の2つ前の駅が、彼の最寄駅だった。それで結局、彼の最寄駅にいい店があるので、そこで降りて飲もうということに……。
「今まで電車でもお会いしてたのかもしれませんね」
「はい、でも私はあまりこういう遅い時間にはならないので……澤田さんはだいたいこんな感じの時間ですか?」
会社の最寄駅で会ったのは、21時を回った頃。
「うん、結構ね、残業多くて。……えーと、お名前……、まだでしたね」
「あ……、はい!失礼しました。桃井千代といいます。コイデックスグループの子会社で事務やってます……」
ここへ来て改まって自己紹介というのも、なんだか照れくさい。
「桃井さん。オレは澤田……、澤田光です。サキガケ商事の総務部にいます。職場、近いんですね。ランチで会うんだから当たり前だけど」
「はい……。なんかストーカーみたいで気持ち悪くないですか私……大丈夫ですか?」
くすっと笑う澤田さんの笑顔。
「いや、そりゃ驚きましたけどね。大丈夫ですよ、光栄ですって言ったじゃないですか。ていうか一体、いつ頃からオレのことを……?」
「あ、ああ……、はい、確か……二ヶ月ぐらい前かと……」
なんだか事情聴取でもされているような気分になり、冷や冷やする。
「そうですか……。えぇと、ご実家にお住まい、ですか……?」
「あ、いえ、就職して栃木から上京して、独り暮らしです」
「同じだ。オレもです。群馬だけど」
「わ、近いですね!」
なんとなく共通点がいくつかあって、話しやすいというか、うまく話を運んでくれる澤田さん。そのおかげで徐々に緊張感が和らぎ、お酒もいい感じで進み、雑談をして楽しく時が流れていった。