この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桃色フラストレーション
第1章 呼び覚まされて
「ごめんっ、千代、ほんとごめん!」
「いいよべつに。予定ないし」
「ありがとうホント助かる~。明日のランチおごるからね!」
残業を代わって欲しいと同僚の彼女に頼まれることは珍しいことじゃない。どうせ大した業務量でもないし、本当に予定もない私にとっては、痛くも痒くもないこと。
彼女、同僚の遥香は、彼氏と同棲中。聞くところによるとドSな彼と、なかなかにお盛んな性生活を送りながら仕事をしている様子。彼のお呼びがかかれば少しでも早く帰ってご奉仕しなきゃいけないらしい。そんな時、私に残業交替要請が来るのだった。
「桃井さん、お疲れ様」
「はい。お先に失礼します」
結局、19時半を過ぎる頃には残業も終わった。私達の会社は、50を過ぎたおじさんばかりの、少人数の冴えない会社。そうは言ってもこのご時世に割と安定している企業の子会社なので、辞めようという考えはない。大学を卒業して上京し、ここに就職した私は、おじさんおばさん達に囲まれた穏やかな環境で働けることに感謝している。
ただ、こう……、社内恋愛?そういうものとは、無縁過ぎる。唯一同年代の遥香は、彼氏とは合コンで知り合ったらしい。そうでもしないと、出会いなんて全然ない……。
彼氏いない歴、は、何年になるんだろう。高校を卒業する時に両想いになれた同級生と一夜を共に過ごしたものの、そのまま自然消滅。大学では好きだった先輩と関係を持ち有頂天になっていたのも束の間、ただの遊び人に遊ばれていただけだったことを知った……。
こう考えると、彼氏らしい彼氏がいたことは、ない。このままこの会社と自宅の行き来をしているだけじゃ、きっと今のままだ……。
そうは思うものの、何をどうしたらいいのかわからない。遥香みたいにアクティブに合コンに行ったり紹介とかしてもらったり、っていうのは性に合わない。同窓会も遠い地元での開催だから参加できない。
……それ以前に、べつにもうこのまま彼氏がいなくたっていいんじゃないかな……、と、思い始めていた。つい、この間までは。
「いいよべつに。予定ないし」
「ありがとうホント助かる~。明日のランチおごるからね!」
残業を代わって欲しいと同僚の彼女に頼まれることは珍しいことじゃない。どうせ大した業務量でもないし、本当に予定もない私にとっては、痛くも痒くもないこと。
彼女、同僚の遥香は、彼氏と同棲中。聞くところによるとドSな彼と、なかなかにお盛んな性生活を送りながら仕事をしている様子。彼のお呼びがかかれば少しでも早く帰ってご奉仕しなきゃいけないらしい。そんな時、私に残業交替要請が来るのだった。
「桃井さん、お疲れ様」
「はい。お先に失礼します」
結局、19時半を過ぎる頃には残業も終わった。私達の会社は、50を過ぎたおじさんばかりの、少人数の冴えない会社。そうは言ってもこのご時世に割と安定している企業の子会社なので、辞めようという考えはない。大学を卒業して上京し、ここに就職した私は、おじさんおばさん達に囲まれた穏やかな環境で働けることに感謝している。
ただ、こう……、社内恋愛?そういうものとは、無縁過ぎる。唯一同年代の遥香は、彼氏とは合コンで知り合ったらしい。そうでもしないと、出会いなんて全然ない……。
彼氏いない歴、は、何年になるんだろう。高校を卒業する時に両想いになれた同級生と一夜を共に過ごしたものの、そのまま自然消滅。大学では好きだった先輩と関係を持ち有頂天になっていたのも束の間、ただの遊び人に遊ばれていただけだったことを知った……。
こう考えると、彼氏らしい彼氏がいたことは、ない。このままこの会社と自宅の行き来をしているだけじゃ、きっと今のままだ……。
そうは思うものの、何をどうしたらいいのかわからない。遥香みたいにアクティブに合コンに行ったり紹介とかしてもらったり、っていうのは性に合わない。同窓会も遠い地元での開催だから参加できない。
……それ以前に、べつにもうこのまま彼氏がいなくたっていいんじゃないかな……、と、思い始めていた。つい、この間までは。