この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桃色フラストレーション
第5章 土曜日、彼の部屋で - 1
コーヒーのにおい……それから、トーストと、ベーコン……?布団のにおい……、あれ……私、いったい……?ここ私の部屋じゃない……。
――ハッ!!
飲み過ぎて熟睡してしまっていた私は、澤田さんが朝食を作る音とにおいで目が覚めた。まどろみから覚醒してガバッと起き上がると、キッチンに立つ澤田さんが振り向いた。
「おはよう、桃井さん」
「あ……、おはよう……ございます」
「昨夜は寝落ちしちゃってごめん。寝不足続きだったのと、ちょっと飲み過ぎたみたいで……、朝食、作ったからどうぞ」
ソファテーブルにプレートとコーヒーが運ばれてくる。時計を見ると、もう9時過ぎ……。
「す、すいません私こそ……すっかりベッド占領して熟睡しちゃってっ」
「いいよべつに。さ、いただきます」
「はい……いただきます」
澤田さんの部屋で、澤田さんが作った朝食を隣でいただく、遅い土曜の朝。未だにこれが現実であることが嘘のよう。
「コーヒー、お砂糖とミルクは?」
「あ、ブラックでいいです」
「一緒だ」
昨夜はお互い酔っていたからまだよかった。今はシラフで、しかも朝……。どことなく気まずくて気恥ずかしくて、ふたりとも黙々と朝食をとる。
「ごちそうさまでした……。美味しかった」
「……今日、用事とかなかった?大丈夫?」
食べ終わってコーヒーを飲みながら、澤田さんが言う。すっかり敬語じゃなくなっていることに、なんだかドキドキさせられる。
「ないです……。あの、でも、長居したら悪いので……、これ片付けたら……」
「長居してって欲しいんだけどな」
「え……?」
「いや、オレもこの週末予定なくて……、今夜も泊まってって欲しいぐらいで」
え、え、え……っ!?思わず言葉を失う。
「……桃井さんがいてくれて嬉しい」
「澤田さん……」
少し照れながら向けられた笑顔。その唇が昨夜重ねられたことを思い起こし、昂揚してしまう。そんな私を見ている澤田さんも、恥ずかしそうに赤面していく……。
――ハッ!!
飲み過ぎて熟睡してしまっていた私は、澤田さんが朝食を作る音とにおいで目が覚めた。まどろみから覚醒してガバッと起き上がると、キッチンに立つ澤田さんが振り向いた。
「おはよう、桃井さん」
「あ……、おはよう……ございます」
「昨夜は寝落ちしちゃってごめん。寝不足続きだったのと、ちょっと飲み過ぎたみたいで……、朝食、作ったからどうぞ」
ソファテーブルにプレートとコーヒーが運ばれてくる。時計を見ると、もう9時過ぎ……。
「す、すいません私こそ……すっかりベッド占領して熟睡しちゃってっ」
「いいよべつに。さ、いただきます」
「はい……いただきます」
澤田さんの部屋で、澤田さんが作った朝食を隣でいただく、遅い土曜の朝。未だにこれが現実であることが嘘のよう。
「コーヒー、お砂糖とミルクは?」
「あ、ブラックでいいです」
「一緒だ」
昨夜はお互い酔っていたからまだよかった。今はシラフで、しかも朝……。どことなく気まずくて気恥ずかしくて、ふたりとも黙々と朝食をとる。
「ごちそうさまでした……。美味しかった」
「……今日、用事とかなかった?大丈夫?」
食べ終わってコーヒーを飲みながら、澤田さんが言う。すっかり敬語じゃなくなっていることに、なんだかドキドキさせられる。
「ないです……。あの、でも、長居したら悪いので……、これ片付けたら……」
「長居してって欲しいんだけどな」
「え……?」
「いや、オレもこの週末予定なくて……、今夜も泊まってって欲しいぐらいで」
え、え、え……っ!?思わず言葉を失う。
「……桃井さんがいてくれて嬉しい」
「澤田さん……」
少し照れながら向けられた笑顔。その唇が昨夜重ねられたことを思い起こし、昂揚してしまう。そんな私を見ている澤田さんも、恥ずかしそうに赤面していく……。