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桃色フラストレーション
第8章 三日間の禁欲
光が私の部屋に初めて来る週末を前に、私達は三日間、会わないことを決めた。関係を持ち始めて約一ヶ月、連絡を取らない日はなかったどころか、ほぼ毎日何かしらの性行為をしてきている。光は私の部屋でのバイブとローターを使ったプレイへの期待が膨らみまくっていて、それまでの三日間禁欲生活を過ごしたいと言うのだ……。

文字でのやりとりは少しある。けど挨拶程度で、声を聞くこともない。一ヶ月前までは当たり前だったはずのことなのに、これだけで私は抜け殻のようになってしまっている。顔が見たい、声が聴きたい、話したい、触れたい、触れて欲しい……。私の身も心も、光のことばかり求めている。

知り合う前、一方的に見ていた頃は、恋じゃない単なる性欲の対象だと自覚していた。でも、今は違う……。私は彼を愛しているし、光も、私を愛してくれている。こんな風に少し会えないだけで不安でしょうがなくなって、浮気をされているのではないだろうかと勘繰ってしまったりもする。彼が自分以外を抱くことがあったら……、そんなの、考えるだけで気が狂いそう。

(光は三日も会えなくて、大丈夫なのかな……)
彼は性欲が強い。こんなに毎日していたのに三日も抜かないと言っていたけど、いきなりそんなの大丈夫なんだろうか……。三日目の昼休みに、LINEを送ってみた。

「光、お疲れ様。いよいよ明日だね」
「お疲れ!もう楽しみで仕方ないよ」
「ねぇ、あの……、本当に、大丈夫?」
「何が」
「えーと、三日間、抜かないって……言ってたけど」
少し、間があいた。言っちゃいけなかったかな。
「大丈夫じゃ、ないかも」
「え、どういうこと」
「早く千代とやりたくて気が狂いそう」
ああ……、嬉しい。
「実は昨夜、一回自分で抜いちゃった」
「えっ」
「やっぱり無理だった。いきなり三日も出さないのは」
「そうだよね……」
「でも、今夜は早く寝て、溜めとくから。明日は覚悟しててね?」
「……うん」
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