この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桃色フラストレーション
第11章 予想通りの事と、予想外の事
あの日から会うこともなく、気まずい空気を抱えたまま互いに連絡を取ることもなく、光の渡航日はすぐにやってきた。荷物の準備も忙しかったんだろうと思いながらも、自分の気持ちにはけじめをつけてあの日一人で出て来たつもりだったから……、彼に対して何も期待していなかった。そして出発直前、メッセージが送られてきた。
「じゃあ、行ってくる。落ち着いたら連絡入れるから、千代も元気で」
これだけだったけど、私に連絡してくれたことが嬉しくて涙が出た。さよならしたつもりなのに、まだ優しくされたいと思っている私がいる……。
「いってらっしゃい。お仕事がんばってね」
本当は、大好きだって言いたい、浮気しないでねって言いたい、早く帰ってきてねって言いたい……。でもそういう気持ちにはもう蓋をしたんだ。彼を困らせちゃいけない……彼のことが、大好きだから。
「うーん、行っちゃったか~。寂しいねぇ。でも半年空いたって千代と澤田さんならまたフツーに元に戻れるんじゃない?」
同僚の遥香はそう言ってくれるけど、私はもうネガティブまっしぐらで……そういう明るい展望は考えられなくなっている。
「いやいや……彼モテるだろうし……そもそも私なんかと付き合ってくれてたのがラッキー過ぎた期間なんだよきっと……」
「も~、そんな風に言わないのー!」
遥香には彼が絶倫で私達の時間のほとんどが情事で染められていることを話していない。一見紳士な光と、一見貞淑そうな私だから……そのイメージを崩さないままでいる。
気持ちが沈むと性欲が減退する。私は以前よりも妄想しなくなり、自慰の回数も減っていった。そうしているうちにあっという間に一ヶ月が過ぎたある土曜日の夕方、光からメッセージが入った。いや、正式には……光のアカウントから。
「千代さんって澤田さんの彼女?だよね?」
何これ……と、絶句した。光のアカウントからだけど、光じゃないことはすぐにわかったから、こう返した。
「あなたは誰ですか」
送られてきたのは、一枚の写真。スーツ姿の光と、隣には……色っぽい女性。
「こういう者です。澤田さんのビジネスパートナー」
この女性が、何故光のアカウントからメッセージを……!?と、考えるだけで頭がクラクラしてくる。どう返したらいいのかわからなくなっていたら、電話が鳴った……。
「じゃあ、行ってくる。落ち着いたら連絡入れるから、千代も元気で」
これだけだったけど、私に連絡してくれたことが嬉しくて涙が出た。さよならしたつもりなのに、まだ優しくされたいと思っている私がいる……。
「いってらっしゃい。お仕事がんばってね」
本当は、大好きだって言いたい、浮気しないでねって言いたい、早く帰ってきてねって言いたい……。でもそういう気持ちにはもう蓋をしたんだ。彼を困らせちゃいけない……彼のことが、大好きだから。
「うーん、行っちゃったか~。寂しいねぇ。でも半年空いたって千代と澤田さんならまたフツーに元に戻れるんじゃない?」
同僚の遥香はそう言ってくれるけど、私はもうネガティブまっしぐらで……そういう明るい展望は考えられなくなっている。
「いやいや……彼モテるだろうし……そもそも私なんかと付き合ってくれてたのがラッキー過ぎた期間なんだよきっと……」
「も~、そんな風に言わないのー!」
遥香には彼が絶倫で私達の時間のほとんどが情事で染められていることを話していない。一見紳士な光と、一見貞淑そうな私だから……そのイメージを崩さないままでいる。
気持ちが沈むと性欲が減退する。私は以前よりも妄想しなくなり、自慰の回数も減っていった。そうしているうちにあっという間に一ヶ月が過ぎたある土曜日の夕方、光からメッセージが入った。いや、正式には……光のアカウントから。
「千代さんって澤田さんの彼女?だよね?」
何これ……と、絶句した。光のアカウントからだけど、光じゃないことはすぐにわかったから、こう返した。
「あなたは誰ですか」
送られてきたのは、一枚の写真。スーツ姿の光と、隣には……色っぽい女性。
「こういう者です。澤田さんのビジネスパートナー」
この女性が、何故光のアカウントからメッセージを……!?と、考えるだけで頭がクラクラしてくる。どう返したらいいのかわからなくなっていたら、電話が鳴った……。