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桃色フラストレーション
第2章 募る欲望
今朝初めて、王子が夢に現れた。誰もいないあのカフェの店内で、人目を気にしながら激しいセックスをしている夢だった。服を着たまま後ろから勢いよく突かれている状態で、あんなことは誰ともしたことがないのに……、と、エロ動画の見過ぎな自分を痛感させられた。
(夢なのに……、良かったな……)
思い起こしながら下着の中に手を入れると、かなり濡れていた。そのまま思い出しながらまた弄って絶頂に至るまで、たいした時間はかからなかった。
(何やってるんだろう私……。でも、楽しい)
その日のランチタイムも、またカフェ『パラダイス』で王子と遭遇した。今日は私は一人、あちらは男性二人で後からやってきて、席も近い。勝手にやましい気持ちになってハラハラしながら、二人の会話に聞き耳を立てた。
「すいませーん、プレート2つ」
「お飲物はいかがいたしますか?」
「食後にコーヒー2つで」
「かしこまりました」
同席している男性は、後輩だろうか。彼に敬語を使い、気も遣っている様子。
「やっぱり東京のお店はお洒落ですねぇ」
どうやらどこかから出張してきている人のようだ。
「まぁ、でも高いよね。ここは結構値段の割に美味いから気に入ってるけど」
「澤田さんはいつも外食ランチなんですか?」
「うん、そう」
澤田、さん……
さわださん、って、今……!
その時私は初めて、王子の名前を知った。澤田さんっていうんだ……!これだけのことで物凄くテンションがあがった。そして、更に。
「ご実家からでしたっけ」
「いや、今は独り暮らし」
独り暮らし……!既婚者じゃなかった……!!心躍るのを悟られまいと必死になる。
「じゃあ料理とか」
「うーん、一応できるけど、あんましないね。たまにかな」
「すごいですね。僕は料理全然です。母に任せっきりですよ」
「オレもそのぐらいの年の頃はそうだったよ」
年……、いったいいくつなんだろう。聞き耳を立てていることを隠そうとスマホをいじっているけれど、文字はまったく頭に入っていない。
(夢なのに……、良かったな……)
思い起こしながら下着の中に手を入れると、かなり濡れていた。そのまま思い出しながらまた弄って絶頂に至るまで、たいした時間はかからなかった。
(何やってるんだろう私……。でも、楽しい)
その日のランチタイムも、またカフェ『パラダイス』で王子と遭遇した。今日は私は一人、あちらは男性二人で後からやってきて、席も近い。勝手にやましい気持ちになってハラハラしながら、二人の会話に聞き耳を立てた。
「すいませーん、プレート2つ」
「お飲物はいかがいたしますか?」
「食後にコーヒー2つで」
「かしこまりました」
同席している男性は、後輩だろうか。彼に敬語を使い、気も遣っている様子。
「やっぱり東京のお店はお洒落ですねぇ」
どうやらどこかから出張してきている人のようだ。
「まぁ、でも高いよね。ここは結構値段の割に美味いから気に入ってるけど」
「澤田さんはいつも外食ランチなんですか?」
「うん、そう」
澤田、さん……
さわださん、って、今……!
その時私は初めて、王子の名前を知った。澤田さんっていうんだ……!これだけのことで物凄くテンションがあがった。そして、更に。
「ご実家からでしたっけ」
「いや、今は独り暮らし」
独り暮らし……!既婚者じゃなかった……!!心躍るのを悟られまいと必死になる。
「じゃあ料理とか」
「うーん、一応できるけど、あんましないね。たまにかな」
「すごいですね。僕は料理全然です。母に任せっきりですよ」
「オレもそのぐらいの年の頃はそうだったよ」
年……、いったいいくつなんだろう。聞き耳を立てていることを隠そうとスマホをいじっているけれど、文字はまったく頭に入っていない。