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桃色フラストレーション
第14章 すれ違いと偶然
仕事はしばらく休みを取らせてもらい、栃木の実家に帰ることにした。命に別状はないものの、しばらく入院する必要があり、私は家事と病院との行き来をすることになった。不謹慎なことを言えば、ちょうどよかったと言うか……、とにかく、非日常で忙しくなることで、気が紛れ、あっという間に日々が過ぎて行った。

「あれ……桃井?」
「え……?」
病院で私に声をかけてきたのは、知らない男性。なのにいきなり苗字呼び捨てって……?と思っていたら。
「俺……、覚えてない?高崎、高崎透。高校の同級生なんだけど」
「えっ……あっ……高崎くんってバンドやってた……!?」
目の前にいる立派なスーツ姿の紳士とは似ても似つかぬ、高校時代ギタリストだった彼の姿が脳裏によみがえる。
「そうそう!よかった~忘れてなかった~。桃井って同窓会とかも来ないからめっちゃ久しぶりだよな?」
「うん、東京で一人暮らしして、働いてるから」
「そうなんだ!じゃあ今なんでここに?」
「ちょっとね、お母さんが倒れちゃって」
「マジか!大変だな。って俺も親父の見舞いで来てるんだけどね。あ……今、帰り?」
「そう、洗濯物持って帰るところ」
「そっか、もしかしてバス?おまえんちってあっちだったよな?」
「そうだよ、よく覚えてるね」
「まぁね。俺クルマだからさ、送ってこうか?ていうかよかったら飯でも食ってかない?うちのバンドのボーカルだったトミオ覚えてる?あいつがやってる美味い店あるから」
看病と家事に追われる日々の中、こうして懐かしい旧友との再会を果たせたことにホッとして、私は彼の車に乗り、食事をしに行った。

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