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桃色フラストレーション
第15章 回顧
高崎くんに連れられて行ったトミオくんのお店は、こじんまりしていて年季の入った内装の、喫茶店と定食屋とバーがごっちゃになったようなお店だった。料理は本当に美味しくて、再会した彼らとの懐かしい話題と共に心に沁みた。

「親が開いた店なんだけどね、今は両親であちこち旅に出てるから俺が店に出てる」
「高校時代から結構ここ溜り場にさせてもらってたんだよね~俺ら」
「うちのバンドのミーティングによく使ってたよな。透はずっと頻繁に来てる」
「会社から結構近いからな」
高校の同級生と言っても、あまり接点のなかった人達のことはよく知らないものだ。改めてそれを実感させられる。

「にしても、桃井ほんと久しぶりだよな。そういやこないだ黒沢が来たよ、ここに」
「あぁ黒沢って桃井と付き合ってた奴だよな?」
内心、ビクッとした。やましいわけでもなんでもないのに、当時の彼氏で処女喪失の相手だった黒沢くんの名前がこんなところで出るなんて……。
「結婚するとか言ってたな」
「ああ……ふぅん、そうなんだ」
「あれ?リアクション薄い?桃井とはそんな長くなかったの?卒業する頃も付き合ってたよな?」
「うん、でも続かなかったね。自然消滅っぽい感じで……友達の延長でなんとなーく、って感じだったし」
そうか、黒沢くんが結婚……。痛くもかゆくもないけど、幸せそうでいいなぁ。
「そうだったのか……俺はてっきりラブラブなんだと思ってたけどな」
「透はそれで桃井のこと諦めてたんだもんなぁ?」
「ちょっ、トミオ……!黙れこらっ」
煙草をくゆらせながらニヤニヤして言ったトミオくんに、高崎くんが突っかかる。
「なんだよもう時効だろ?透は桃井に惚れててさー」
「トミオっ!ったくいい加減にしろよっ」
意外な展開にどう反応したらいいのやら。高崎くんが私のことを……?
「おまえ、うろたえ過ぎ。あっ、もしかして時効じゃなかったとか?桃井って今フリー?彼氏は?」
「こらトミオっ!っとにもう……ちょっと俺トイレ」
からかうように、それでもどこまでが冗談なのかわからない感じでトミオくんが言うと、高崎くんがますますうろたえて席を立ってしまう。
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