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桃色フラストレーション
第15章 回顧
「おもしれー、あいつ照れてんのわかりやす過ぎ。マジで高校時代かなり桃井の話相談されたからさ。けど彼氏いるの邪魔しちゃ悪いって真剣に我慢して身を引いてたんだぜ。あの様子じゃ再会した今も脈ありっぽいな」
面白がる様子のトミオくん。なんだか照れくさい。彼らのバンドは校内で割と人気があり、メンバー達は下級生からもモテていた。同じクラスでも私がいたグループは大して中心だったわけでもない普通な感じだったし、こうして彼らと今話していることが不思議な感じ。そして今の彼らは高校時代とは違ったルックスだけれど、それぞれ味があって魅力的だ。人前に出て歓声を浴びていた人達ってやっぱり違うな……と思った。

「マジで彼氏いないんだったら透のこと考えてやってくれない?今オヤジさん倒れて精神的にもまいってるしさ。あいつしばらく彼女いないから心配してるんだよね……」
「そうだね……今はフリー……だけど、遠距離恋愛はちょっと……無理なんだ」
光のことを思い出すだけで胸が苦しくなって、俯いてしまう。
「ていうか今の私なんて高崎くんだって別になんとも思ってないでしょ。トミオくんの思い過ごしじゃない?ねぇところでそう言うトミオくんは?どうなの?」
とりあえず話を変えたい。
「ん、俺?ああ俺はもう嫁と子どもがいる」
「えっ、すごいね、そうなんだ!」
「高校の後輩だった子だよ」
同級生男子がもう親になっていることに驚かされる。けど彼曰く、他にもそういう同級生はちらほらいるそうだ。
「大学行ったり東京に出てったりした人は感覚違うかもだけど、もう俺ら25歳だしな。そりゃ親になってる奴だって多いよ」
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