この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桃色フラストレーション
第15章 回顧
「――ん。わかった。そのままの、桃井でいいよ」
「えっ……?」
「今のそのままの、ごちゃごちゃの桃井のままでいいから。答え出さなくていいから……、一回だけデートして俺と過ごして欲しい。とにかくこのまま桃井を東京に帰したら俺が後悔すると思うからさ……今日はそれだけ言いたくて」
そのままで、いい……こんなありがたい言葉があるだろうか。
「明後日の土曜なら、時間取れるよな?」
「うん……朝ちょっと病院に行けばいいだけ」
「じゃ、一緒に病院行って、そのまま遊園地でも行こうぜ。お互いあんま深いこと考えずに、高校生に戻った感じで遊ぼう?」
なんて素敵なプランなんだろう、と、胸躍った。告白も誘い方も、プラトニックなときめきも……、全てが今の私には眩しく、久しぶりにウキウキした。そして仕事と病院通いな毎日を過ごしている彼にとっても、非日常の企画だった。