この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桃色フラストレーション
第15章 回顧
予定通り母の退院が決まった日の帰り、車の中で彼が切り出した。
「あのさぁ……桃井。その……、東京帰る前に一度、デートしてくれない?」
「デ……?」
突然の申し出に思考が止まる。
「ていうか……俺……、やっぱり桃井が好きだ」
「っ!?」
続いてまっすぐに目を見ての突然の告白に耳を疑う。
「けど……、東京の仕事辞めてこっち戻ってこいとか言えるわけでもないし……、まぁいろいろあるみたいだし……?高校時代もそうだったんだけど、俺は好きな子にはその人が好きな人と幸せになってほしいと思ってるからさ……、だから今も……桃井の心に誰かいるなら、なんとしても俺と……とは言えないっていうかな……」
こういう身を引く発想なところ、私と似た発想の人なんだな、と、この時思った。
「でも……こうしてこのところ一緒にいる時間があって、俺……離れたくない、また会いたい……って思った」
こんなにも直球で想いを告げられることなんてなくて、胸の奥を掻き乱される。

「俺は桃井がよければ遠距離でもいいんだけど……」
「あ……、うん……それは……無理」
ここだけ不自然に即答してしまった。
「それって……やっぱり今海外転勤してる元彼のこと?」
「うん。私、遠距離は無理なんだなって思ったから……無理はしたくないの。でも……高崎くんが今言ってくれたこと、すごく嬉しい」
少しだけ彼の表情が和らぐ。
「今、いろいろ……自分の人生が、これからのことが、見えなくなってるから……なんでも慎重にならないと……傷付くのも、傷付けるのも、怖くて……でも今の私が動くとそうなってしまいそうで……」
黙って頷き、話を聞いてくれる高崎くん。
「だけど……、こんな風に……想ってもらえることが……、今すっごく幸せに感じて……なんかもうわからないけど、」
/165ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ