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〇〇を教えて。。
第4章 色々あってムズカシイみたい☆☆
『じゃあ、
また連絡を入れるわ。
メッセージするからきちんとチェックするように』
シャワーを浴びスーツに身を包み、
タクシーで理玖の社宅だというボロアパートに着けた渚遥香は毅然と告げた。
『ハイハーイ。
送ってくれてサンキュー』
理玖はひらひら手を振りながら、
アパートの階段を上がっていく。
渚遥香は『出して下さい』
と運転手に告げた。
(女性用を増やしてみよう。
妙に母性本能をくすぐるし、
顧客が増えるはず)
朝日が道を照らす。
『ふぁ………』
欠伸を抑えた。
『…………ん?
あ。』
渚遥香は後部座席から、
歩道を見る。
『____白石毬佳』
歩道に、
自分と変わらない体型の美女がいて目を細めると、
大学時代のミスコンのライバル・白石毬佳が突っ立っていた。
『あ…………』
あっという間に通り過ぎる。
『毬佳……………
きっと医者になってエリート街道まっしぐらなんでしょうね………』
呟く。渚は3年の時に自主退学した。父親が借金を作って夜逃げしてしまった。
入院中の母親と中学生の弟がいて裏の仕事を始めざるを得なかったのだ。当時学部は違ったが、
毬佳とミスコンで1位を争った経験があった。
(ボロアパートを見てた気がするけど。
…………まさかね)
世間というのは広そうで狭い。
何も知らない藤代宗一郎は、
今も〔蘭京大学付属微生物研究所 ひなた支部〕に缶詰状態だった______………………。