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〇〇を教えて。。
第5章 ムズカシイけどイイみたい☆
『半分?
500万だということか?』
落ち着いた宗一郎。
理玖に「頼むから払わせてくれ」と食い下がると、
やはり『それは無理だ』と断られた。
しつこくすると「なら…半分」という。
『うん。
やっぱり、宗一郎に払って貰うなんて違うよ。
それに…………優月が自分で好きこのんで羽乃ってヤクザについてったんだ。
自業自得だろ?
自分のケツは自分で拭かなきゃ』
『そうか。
___意外と、
筋を通すんだなキミは………』
『あん?(笑)
もっとグダグダかと思ってたか?
確かに悪いことしかしてきてないけどさ。
自分がした悪いことからは逃げらんねーもん』
『そうか…………
僕は、
キミを見誤っていたのだな…………』
宗一郎は車を走らせる。
理玖のアパートまで送るのだ。
『なあ?
訊くけどさ?俺のどこが好きなわけ?』
キキキ~~~~ッ……
宗一郎はブレーキを踏んだ。
『いでっ』
理玖が助手席からずり落ちる。
『急に止まんなよ!』
___怒りながら宗一郎を見ると、
顔が真っ赤だ。
(ありゃ)
『どこというか………
キミそのものというか。
具体的に言うとだな、
面白いというか………』
しどろもどろだ。
理玖は噴き出す。
『あっはっはっは!!
宗一郎、前と全然違うじゃん!
俺に説教ばっかしてたクセに~~~』
腹を抱えて笑う。
宗一郎がむっとする。
が。
『____そうだな。
前と違うな、確かに』
素直にそう思った。
〔藤代くんらしくないわ〕
毬佳のセリフ。
_____らしくなくていい。
素直で、真っ直ぐな理玖に惹かれたのだ。
取り繕うことも、虚栄心もない理玖。
〔得じゃん、カラコンなくていいし〕
率直な理玖。宗一郎が嫌で嫌で仕方なかった、蒼い瞳を理玖は〔得〕だと言った。
毬佳にもし理玖への想いを話すとしたら、
「そんなことで?」と呆れられるだろう。
〔同じ轍を踏まないように____〕
毬佳の言葉が、
宗一郎のハートに刺さる。
____大丈夫だ。
早瀬理玖は、
突然死んだりしない。
『宗一郎、
今のほうがいいぞ?
前の説教くさいの余計ジジイみてぇだし』
豪快に笑う理玖。
宗一郎は、笑う理玖に眩しさを感じたのだった…………………