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〇〇を教えて。。
第5章 ムズカシイけどイイみたい☆
宗一郎は気弱げな笑みをする。

『……………本っ当、変わったわ。
そんな顔しなかったのに…………』
毬佳が小声で呟く。



『え?
何だ?』


『___いえ、何でもない。
私は会わないわ。
はっきり断ります』
毬佳はそっぽを向いた。



『そうか、分かった。
失礼したね、僕の独断で真田さんに口約束をしてしまったから………
済まない。
じゃあ戻るね』


宗一郎は諦めて個室の扉を開く。
『____ねぇ!
ちょっと待って』背中に毬佳の声。

『?
何だい?』



『あの……理玖って子。
どこがいいの………??』毬佳が窺うように訊ねる。




宗一郎は一瞬虚を衝かれた。

『どこ、って…………』
目を泳がせる。

『真っ直ぐなところかな。
僕に無いんだ、理玖が持っているものが』
頬が赤くなる。
『じゃ。
また食事でも行こう』
片手を挙げ部屋を出た。




____白石毬佳は、
唖然と宗一郎の広い肩を見送る。



「僕に無いところが好きだ」
__そんなセリフをスッと出す宗一郎を、
毬佳は初めて見た。


瑠樹の時には決して表立って見せなかったのに。ふたりとも、タブーを心得つつ〔自分たちは他人とは違うのだ〕と排他的な雰囲気を出していた。それは孤高な純潔に見えた。ふたりにしか分からない世界……。
だから、私はふたりに憧れてたのに。



毬佳はもどかしさと苛立ちを感じてイスを荒く仕舞うと、
『___さ、
昼から往診だわ』と切り替えた。

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